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インブリード

概要
インブリードとは、近親交配という意味で、馬のみではなくペットや畜産業界で広義に使われている言葉です。
競走馬の礎を築いたとも言える馬の三大始祖を始めとし、飛びぬけた強さと優秀な産駒(子孫)をもたらす名馬は、常に繁殖の中心となっていました。
畜産家などは、強い能力や特定の能力をなるべく産駒に色濃く残したいと思っています。
似たような能力を持つ馬同士、つまりは血縁が近い関係を持つ馬を交配することがあるということです。
サラブレッドにおいて、インブリードが起きている条件は以下になります。

5代以内に同じ祖先(父母)が重複している場合

インブリードでは、ある馬の祖先を辿る過程で、「父の父の父」と「母の母の父」が同一馬であることがあります。
こういった交配を行う裏には、以下のような利点が挙げられています。

1.遺伝学的な確証はありませんが、能力の高い馬と低い馬のインブリードでは、能力の低い馬の遺伝的特徴が出にくくなります。
2.インブリードを行うと、特徴を色濃く発現する遺伝子型である「ホモ接合型」が増加する傾向があります。
3.ある特徴を有した血縁が多くなることで、産駒(子孫)にその特徴を継承させやすくします。
4.インブリードでは、似通った遺伝子での交配になるので、アウトブリードによる交配よりも遺伝的な能力は高い確率で子に継承されやすくなります。

問題点
血縁が近いもの同士を掛け合わせることは、生物学的に危険であると認識されているので、馬にも血縁が近いインブリードは避けられています。
血縁が近いインブリードを避ける理由として、以下のようなことが挙げられます。

1.遺伝子には優性遺伝子と劣性遺伝子があり、インブリードではこの劣性遺伝子による遺伝病が発生する可能性が高くなります。
2.「ホモ接合型」が必ずしも望むような特徴を発現するとは限らず、悪い面で発現する場合もあります。
3.インブリードによって特徴的な能力が遺伝し、反映される一方で、馬の能力が平均的になります。
4.血縁が近いインブリードを行うと、奇形や先天的な障害、虚弱体質で繁殖力が低い、といった障害を持つ可能性が高くなります。

余談
日本でインブリードが知られるようになったのは、血統競馬のブームを作った競馬ゲーム(ダービースタリオン等)によるものだと思われます。
インブリードに関する遺伝的、生物学的な意見は全て科学的な根拠を持たず、畜産関係者の勘によるところが大きいです。
一昔前(1800年代~1900年代)では頻繁にインブリードは行われていましたが、危険な行為なので現在はアウトブリードやアウトクロスが主流です。
セントサイモンの悲劇が繰り返されないよう、また障害を持った馬を生まない為にも、5代以内のインブリードは行われないようにされています。