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ファミリーナンバー

歴史
牡馬(雄)に「三大始祖」があるように、牝馬(雌)にも「ファミリーナンバー」があります。
ある時期まで競走馬の能力は種牡馬(父)の遺伝によるものが定説となっており、「三大始祖」もその流れに沿って考えられました。
ファミリーナンバーとは、サラブレッドの血統から牝系(母)を辿り、そこから導き出された「43頭」の牝馬を、系統順に分類した番号のことです。

1895年、その検証はオーストラリア人のブルース・ロウ(Bruce Lowe)によって行われました。
参考文献として、サラブレッドの管理に大いに貢献した血統書「ジェネラルスタッドブック」が活用されました。
第一巻まで遡って作られた「ファミリーナンバー」は牝系(母)を分類するのに大いに役立ちました。
そして1953年、ポーランド人のカジミエシュ・ボビンスキー(Kaziemierz Bobinski)によって、ファミリーナンバーを基にした「ファミリーテーブル」が再編成されました。
1895年~1953年の牝系(母)を埋めるのと同時に、世界中で行われている全てのレース名や優勝馬の血統が加味されたのが「ファミリーテーブル」です。
数年毎に「ファミリーナンバー」を管理した「ファミリーテーブル」は増刊され、また現在では多数の機関で確認することが出来ます。

概要
牝系(母)を管理した「ファミリーナンバー」は、DNA解析が進んだ現代競馬において非常に有意義な情報として活用されています。
競馬は世界中で行われているので、現在の「ファミリーナンバー」ではいくつかの国の血統書が活用されて構成されています。

初めは、ブルース・ロウ(Bruce Lowe)による「ジェネラルスタッドブック」の第一巻まで辿った「ファミリーナンバー」です。
イギリス競馬の重賞(ダービー、セントレジャー、オークス)で、優勝した競走馬を多く産んだ「43頭の母」の系統を順番に分類したものです。
「1~43号族」まで付けられた番号は低いほど強いという構成によって作成されましたが、1895年時点での検証であり、現在では番号による能力の関係はないものとされています。
一方で、牝系を辿る表としては現在も活用されており、また"子"が"親"から授かる能力が種牡馬(父)によるものだけではないということを証明する材料としても活用されています。
ちなみに、「ジェネラルスタッドブック」の第一巻に記載されている「ロイヤルメア(牝馬)」は「11号族」に分類されています。

例:「01」「02」「03」…「41」「42」「43」

次に、「アメリカンスタッドブック」による「ファミリーナンバー」です。
既存の番号と混同されないように、「America」の頭文字「A」と番号で分類しており、現在では「1~37号族」まで公式に認められています。

例:「A1」「A2」「A3」…「A35」「A36」「A37」

次に、初期の「ジェネラルスタッドブック」に記載されていない「ブリティッシュ・ハーフブレッド」という系統です。
「ブリティッシュ・ハーフブレッド」とは、第一にイギリスの牝馬から派生した牝系(母)を血統に持つ馬のことをいいます。
サラブレッドの証明でもある「ジェネラルスタッドブック」による血統書が無い馬にも、サラブレッドと思われるサラブレッド系種という競走馬が多く存在します。
そういった競走馬が血統書付きのサラブレッドと同等以上の成績を残し、1969年晴れてサラブレッドとして認められ、その牝系(母)統が「ブリティッシュ・ハーフブレッド」と呼ばれるようになりました。
既存の番号と混同されないように、「British」の頭文字「B」と番号で分類しており、現在では「1~26号族」まで公式に認められています。

例:「B1」「B2」「B3」…「B24」「B25」「B26」

次に、オーストラリアとニュージーランドの系統で使われている「ファミリーナンバー」です。
人類の歴史と同様に生物の歴史は長く、最古の血統書「ジェネラルスタッドブック」もまだまだそういった歴史の長さから見れば浅いものです。
各国の牝系(母)を紐付けるには、文献や証拠が不十分でありながらも世界中で馬は存在しています。
こういった「ジェネラルスタッドブック」に遡れない系統の馬には「コロニアルナンバー」が付けれて管理されています。
「コロニアル」とは「植民地の」という意味があり、そういった意味合いを込めて命名されたのかは定かではありません。
既存の番号と混同されないように、「Colonial」の頭文字「C」と番号で分類しており、現在では「1~35号族」まで公式に認められています。

例:「C1」「C2」「C3」…「C33」「C34」「C35」

次に、アルゼンチンの系統で使われている「ファミリーナンバー」です。
他の国と比べて、番号は少ないです。
既存の番号と混同されないように、「Argentine」の頭2文字「Ar」と番号で分類しており、現在では「1~2号族」まで公式に認められています。

例:「Ar1」「Ar2」

次に、ポーランドの系統で使われている「ファミリーナンバー」です。
こちらもアルゼンチンと同様、番号は少ないです。
既存の番号と混同されないように、「Poland」の頭文字「P」と番号で分類しており、現在では「1~2号族」まで公式に認められています。

例:「P1」「P2」

次に、ウルグアイの系統で使われている「ファミリーナンバー」です。
ウルグアイの番号はひとつだけです。
既存の番号と混同されないように、「Uruguay」の頭2文字「Ur」と番号で分類しており、現在では「1号族」のみ公式に認められています。

例:「Ur1」

最後に、カジミエシュ・ボビンスキー(Kaziemierz Bobinski)による「ファミリーテーブル」です。
「ファミリーナンバー」で定義された「1~23号族」の子孫が増えすぎたのを機に、番号にアルファベットを付与し再編成しました。

例:「1-a」「1-b」「1-c」…「2-g」「2-h」「2-i」…

以上が公式に認められた「ファミリーナンバー」になります。
現在は、国際血統書委員会(International Stud Book Committee)によって管理されています。