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奇跡の血量

概要
現在ではほとんどされてないインブリードでの交配で、ある一定の血量を持つことを『奇跡の血量』といいます。
『奇跡の血量』という概念が広まった背景には、父母(祖先)馬から受け継いだある一定の血量を持った馬が活躍しているという一説と、競馬ゲーム(ダービースタリオン等)による血統競馬のブームがきっかけとされています。

血量
自分を軸と考えた場合、両親から受け継ぐ遺伝や血量は単純に「50%」づつになります。
インブリードは5代以内で行われていたので、世代を遡るごとに祖先から受け継ぐ血量は以下のようになります。

・1世代前「50%」:「父(50%)」と「母(50%)」
・2世代前「25%」:「父の父(25%)」と「父の母(25%)」と「母の父(25%)」と「母の母(25%)」
・3世代前「12.5%」:「父の父の父(12.5%)」と「父の父の母(12.5%)」と…
・4世代前「6.25%」:「父の父の父の父(6.25%)」と「父の父の父の母(6.25%)」と…
・5世代前「3.125%」:「父の父の父の父の父(3.125%)」と「父の父の父の父の母(3.125%)」と…

インブリードとは「近親交配」なので、祖先のどこかで同じ親を持つということになります。
そして『奇跡の血量』とは、配合の比率が『18.75%』になる馬のことを指します。
この、『18.75%』になる血量の組み合わせは以下になります。

「3世代前の祖先」と「4世代前の祖先」が同じ馬だった場合
※3世代前「12.5%」+4世代前「6.25%」=奇跡の血量『18.75%』

また、インブリードで祖先を辿る際、血統表では数字を扱います。
交配させる種牡馬(直接の父)と繁殖牝馬(直接の母)を共に「1」とし、祖先を一つ辿る度に「2」「3」「4」「5」と数えていきます。
代表的な「奇跡の血量」は上記の「3世代前の祖先」と「4世代前の祖先」が同じ場合なので、以下のように表記します。

・3×4:例「父の父の父」と「母の母の父の父」が同じ馬
・4×3:例「父の母の母の父」と「母の父の父」が同じ馬

種牡馬(直接の父)から辿った数字が始めにきて、繁殖牝馬(直接の母)から辿った数字が次にきます。
ですので、同じ数字でも辿り方は多くあります。
しかし、三大始祖と同様に共通となる祖先は牡馬(雄)が多く、牝馬(雌)での例は少ないそうです。

余談
奇跡の血量の根幹にあるのはインブリードによる馬の生産ですが、病気を持った子が産まれるリスクと経済面での問題があるためほとんど行われていません。
また、インブリードは競馬創世記頃の話であり、現在の名馬の多くはアウトブリードで生まれているので「奇跡の血量」を持った馬はほとんど存在しません。
ですが、馬の生産はあくまで自然交配なのでたまにそういったケースもあります。

競馬にロマンを持てる概念ではありますが、科学的な根拠もなく実情はたんなる競馬の都市伝説です。
競馬ゲーム(ダービースタリオン等)が巻き起こした競馬ブームを「功」と言うなら、根拠もない概念を広めてしまい本気で信じる競馬ファンを生んでしまった事は「罪」と言えるでしょう。